ツクシタンポポ

花は黄色またはやや赤みを帯びた黄色で、花粉の大きさは不均一、染色体数は 2n=32 の四倍体在来種で(Morita 1995,小幡ら 2011)、無融合生殖(アポミクシス)をおこなう。総苞外片は 総苞内片の 1/2 程度または以下の長さで、内片に圧着し、総苞片は緑色で長さ 12 – 15mm。角状 突起は目立つものとほとんどないものがある(小川 2014)。痩果は茶色。花期は 5 〜 6 月で、本属の他の種に比べ、開花期が遅い。中国地方、四国(高知県・愛媛県)、九州(北・中部)に分布し、県内では県境近くの山地に分布する。

トウカイタンポポ

花は黄色で、花粉の大きさは均一、染色体数は 2n=16 の二倍体在来種で(Morita 1995)、有性生殖をおこなう。総苞全体が幅広く、総苞外片は総苞内片の 1/2 以上の長さになり、外片は内片に圧着する。角状突起は目立つ。痩果はわら色または茶色。 花期は3〜5月。本州東海~近畿地方にぶんぷし、高知県内に生育するものは国内帰化と考えられる。主に田の畦や農道沿いに生育する。

ヤマザトタンポポ

花は黄色またはやや淡い黄色、花粉の大きさは不均一で、染色体数は 2n=32 の四倍体在来種で(Morita 1995)、無融合生殖(アポミクシス)をおこなう。総苞外片は総苞内片の1/2以上の長さになり、内片に圧着し、総苞片の縁が赤みを帯びることが多く、角状突起はわずかにあるかまたはほとんどない。痩果は茶色またはこげ茶色。花期は 4 〜 5 月。本州(福井県)以西~山口県、四国(愛媛県・高知県)に分布する。人里や山里の道路の路肩や法面、農地の周辺などの草地に生える。

在来総苞型タンポポ

花は黄色、花粉の大きさは不均一、まれに花粉がないものもある。倍数性は不明であり、無融合生殖(アポミクシス)をおこなう。総苞の色は緑色〜濃緑色。総苞外片は長く、外片は内片の 1/2 以上の長さで、角状突起はほとんどないかまたはない。頭花の大きさや総苞外片の反り返りは様々なものがみられる。痩果は茶色~赤褐色。花期は 主に3 〜 6 月。